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だいわマンダイアリー

第6回 より安全で風味豊かなまま内容物を保持できる容器の開発に全力で取り組んでいます。

みなさんこんにちは。総合研究所で所長をしている加藤です。
当研究所は、大和製罐の技術の基礎部分を担って、社内外の技術関連部署と連携をとりながら研究に励んでいます。最近の取り組みをご紹介しましょう。

総合研究所外観
総合研究所外観

 

飲料缶などの食品容器に大切なこと

当研究所では、当社のメイン商品である金属容器に使っている金属材料について研究していますし、金属容器にあわせて使う塗料やインキなどの材料についても研究しています。飲料缶など食品容器にとって重要な要素はいくつかありますが、食品衛生上、内容物に問題が発生してはいけません。内容物の腐食性との兼ね合いになりますが、金属素材はもちろん内面塗料や内面フィルムが非常に重要な役割を持っています。内容物によってこれらの組み合わせを検討し、性能評価を行って安全な容器の仕様を決定しています。

最近は容器の意匠性(見た目)が重要視される傾向にあり、人目を引くデザインが求められている為、質感や様々な色合いを表現する外面インキ(※1)や異形性(通常製品とは異なる容器形状※2)についても研究しています。

※1:外面インキの事例
外面インキの事例
※2:異形缶(通常製品とは異なる容器形状)の事例:エキスパンド成形・エンボス成形
異形缶(通常製品とは異なる容器形状)の事例:エキスパンド成形・エンボス成形

上記※1※2についてはデコレーションテクノロジーページをご参照ください。

プラスチックカップやチューブなどの樹脂容器市場には様々なニーズやシーズが・・・

昨今、容器材料の樹脂への移行が進み、プラスチックカップやチューブなどの樹脂容器の市場はまだまだ成長中で様々なニーズやシーズが眠っている状態と思われます。私達は樹脂材料とその加工方法について研究を行うと共に新たな樹脂素材や樹脂の合成技術の開発(※3)を行っています。また、新たな樹脂容器を市場に送り出すべく、開発中の樹脂容器の耐久性等の評価も実施しています。

※3:新たに開発した樹脂容器の事例
新たに開発した樹脂容器の事例

上記※3については製品紹介・フラットチューブページをご参照ください。

 

殺菌対象となる微生物についても研究

飲料や食品(以降、内容物)の製造方法として、近年、弊社では、内容物を容器に入れた後で加熱殺菌するレトルトといわれる製造方法に加えて、内容物のみを先に加熱殺菌してから殺菌済みの容器に充填する「無菌充填(※4)」という製造方法を採用しており、これに関する殺菌技術、お客様の充填設備、品質保証システム、関連する装置について研究しています。容器の殺菌や内容物殺菌を確実に行うためには殺菌対象となる微生物の熱耐性や薬剤耐性を把握しなければなりませんので、金属容器製造の会社なのですが微生物についても研究しています。

※4:無菌充填システムの事例
無菌充填システムの事例

上記※4については内容物を守るテクノロジー・無菌充填ページをご参照ください。

内容物を加熱する技術を活用して、IH缶ウォーマー(※5)に関する開発にも取り組んでいます。IH缶ウォーマーは缶飲料を短時間(現在の装置は30秒程度)で加熱できる装置です。現在のホット販売用自動販売機や店頭用のウォーマーでは常時加熱するために常に電力を消費しており、従ってその分CO2も排出していることになります。また、長時間加熱し続けると内容物の風味が劣化してしまうために一定期間加温した商品はお客先の方で廃棄しなければならないという問題がありますが、IH缶ウォーマーでは飲用時のみ短時間で加熱しますので電力消費を抑えられてCO2排出量の削減につながると同時に風味の劣化も抑えられて劣化による廃棄の心配も無いという非常に大きな利点があります。現在機器仕様はほぼ固まりつつあり、どのように市場に展開していくかを検討している最中です。

※5:IH缶ウォーマーの事例
IH缶ウォーマーの事例

 

上記※5についてはニュース「IH缶ウォーマーの地球温暖化対策技術開発事業の新規採択案件の内定について」をご参照ください。

おいしさが伝わるように

飲料や食品(以降、内容物)が出来たての時の味と容器に入れて消費者の皆様にお届けした時の味とを比べるとわずかに異なります。この理由に、長期保存ができるように加工をしている事があげられますが、消費者の皆様にお届けした時に内容物のおいしさが伝わるようにこの加工方法と内容物の作り方について研究しています。容器会社の研究所でありながら、単に容器を作るための開発だけでなく、容器をどう使うかと言ったところまでを考えるという観点で内容物の研究も行っているのです。

総合研究所内に小規模の充填ラインを設置して、内容物を実際に加工、容器に充填し、お客様のテスト品や弊社研究・開発のテスト品、さらには販売される商品等を製造しています。当ラインは食品工場としての認可を受けており、テスト品製造と言うだけでなく実際に店頭で販売される商品を製造する事が可能です。単に製造するだけではなく、当ラインでの製造経験を新技術の付加や衛生管理方法等の開発に結び付けています。

充填ライン写真
充填ライン写真

 

風味を科学的に分析

飲み物や食べ物等のフレーバー(風味、香味)を科学的に分析する方法や殺菌対象となる微生物を検査する方法を研究しています。社外から依頼される分析も行っており、缶に関連しない事柄でも依頼項目として入ってくるのですが、自分達の分析技術向上も目的の一つとして積極的に取り組んでいます。
詳しくはAnalyzejNetホームページ http://www.analyzejnet.com/daiwasoken/setsubi.htm)をご覧ください。

分析装置の例(X線光電子分光分析装置)

以上概略ですが総合研究所の最近の取り組みをご紹介させていただきました。より安全で風味豊かなまま内容物を保持できる容器の開発に総合研究所も全力で取り組んでいます。