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第8回 温度によるリチウムイオン電池の容量増加と劣化促進

こんにちは。
第4回のコラムで、電池の温度が上がると内部抵抗が低下し、その結果として電池電圧と開放端電圧の差(すなわち過電圧)が低下する事をお話ししました。

さて、リチウムイオン電池の過電圧が低下した場合、結論から言うと電池容量が増加します。その理由ですが、まずリチウムイオン電池は普通、電池電圧の値で充電・放電を制御していて、例えば充電上限4.2V、放電下限2.7Vの様な形で設定されています。もし電池の過電圧が小さくなると、図1の様により電池電圧の上限-下限範囲に入る部分がより大きくなり、電池容量が増加する事になります。

図1.過電圧と電池容量の関係

そうすると、電池をできる限り高温にすれば電池容量が大きくなって得ではないか・・・という考えが出てきます。この考え方は半分正解です。事実、図2の様に25℃と40℃で充放電試験をすると40℃の方が高い初期電池容量を示します。しかしデメリットとして、サイクルを繰り返すと速く劣化し、最終的には25℃でのサイクルよりも早く電池容量が無くなっていってしまいます。

図2.25℃、40℃でのサイクル電池容量推移

この現象は、高い温度によって充放電反応と劣化反応それぞれの速度が速くなり、そのうち劣化反応の方がより加速的に速くなっている為に起こっています。 そしてこのような複数の反応が速度を競い合って生じている状況を化学の言葉で競争反応と呼びます。

次回のコラムでは、何故高い温度で反応速度が速くなるのかなど、反応速度に関してさらに詳しく説明したいと思います。

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