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第12回 続・最近の社会の動きから見た蓄電池のエネルギー効率の重要性

前回のコラムで書いたとおり、電力送配電網に系統連系され運用される定置型の蓄電池が近年市場に出てきております。ユーザー様が蓄電池を導入される際の検討事項として最も重要視されるのは、蓄電池の導入・運用コストに対してその運用収益が一定期間で上回るかどうか、言い換えると蓄電池導入によって儲かるかどうか、です。この収益の源泉は、電気料金の時間帯別差額を利用した深夜電力の昼間への置換え(ピークシフト)など、Whという単位が関係するものになっています。

蓄電池で収益を上げるためには、適切なタイミングで充放電をして運用する必要があります。しかし以前のコラムでご紹介した様に、蓄電池が充電した分全てを放電できるわけではありません。充電電力量(単位:Wh)に対する放電電力量(単位:Wh)の割合を充放電効率と呼び、新品のリチウムイオン電池の充放電効率は一般的に約95%であると言われています。つまり、蓄電池運用時には充電電力の5%程度が無駄となって自動的に捨てられてしまう事になります。ちなみにこの5%の充電電力はどこかに消えてなくなっているわけではなく(エネルギー保存則)、そのほとんどが熱に変わっています。

リチウムイオン電池の充放電効率は充放電時の過電圧によって決まります。この過電圧はリチウムイオン電池の充電状態によって変化するので、過電圧の比較的小さい領域で電池を運用する事によって充放電効率を向上させる事ができる事を以前のコラムでご紹介しました。定置型蓄電池を設計する際には、搭載する蓄電池の充放電特性を良く理解した上で、この様な充放電効率向上の工夫をする必要があると思います。

また、定置型蓄電池は10年単位での長期運用が想定されていますが、リチウムイオン電池の充放電効率は経時的劣化によって徐々に低下していきます(この劣化の詳しい話については今後、また別のコラムの中でご紹介したいと思います)。定置型蓄電池の長期運用収益をシミュレーションする際には、充放電効率の経時的劣化も含めた運用コスト試算をする必要があります。

なお、弊社では、蓄電池の経時的充放電効率低下に関する寿命特性評価サービスを実施しておりますので、何かお困り事がありましたらお気軽にお問合せください

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