清涼飲料水の定義は法規で決まっていますが、簡単に言うと「お酒でもなく、乳・乳製品でもなく、薬でもないすべての飲み物」ということになります。容量で1%以上アルコールが含まれているとお酒です。コーヒーの飲料でも乳固形分が3%未満は清涼飲料水ですがそれ以上あると乳飲料になります。同じ形のドリンク剤でも清涼飲料水と医薬品、医薬部外品もあるので表示に注意しましょう。一般食品との区別は難しいのですが、入っているみかんの「つぶつぶ」が30%以下ならばその果実飲料は清涼飲料水ですから、そのあたりが目安になります。
ソフトドリンクという用語は欧米で炭酸飲料を意味することが多く、通常清涼飲料水にはビバレッジが使われています。ただこれには酒類が入ることもあります。
今はほとんど目に付きませんが粉末清涼飲料が商品分類では食品になっているように「清涼飲料」よりも「清涼飲料水」の方が正しい言い方です。
(総務庁統計局ホームページ/日本標準商品分類より)
| 分類番号 | 商品項目名 |
| (発泡性飲料) | |
| 761211 | 炭酸水(砂糖,その他の調味料及び香料を 加えないもの) |
| 761212 | コーラ炭酸飲料 |
| 761213 | 透明炭酸飲料 |
| 761214 | 果汁入り炭酸飲料 |
| 761215 | 果実着色炭酸飲料 |
| 761216 | 乳類入り炭酸飲料 |
| 761219 | その他の発泡性飲料 |
| (非発泡性飲料《うすめて飲用されるものを含む。》) | |
| 761221 | 果実飲料 (4) |
| 761222 | 果粒入り果実飲料 (2) |
| 761223 | 着香飲料 |
| 761224 | 着香シロップ |
| 761225 | 牛乳又は乳製品から造られた酸性飲料 |
| 761226 | コーヒー飲料 |
| 761227 | 茶系飲料 (3) |
| 761228 | 豆乳類 (3) |
| 761229 | その他の非発泡性飲料 |
その昔、クレオパトラがブドウ酒に真珠を入れて溶かし、炭酸ガスを発生させたのが炭酸飲料の始まりという伝説があります。わが国では嘉永6年(1853年)にペリー提督の艦隊来航のときにレモネードがもたらされたのが炭酸飲料第1号とされていますが、1863年にはもう英国人の手で製造発売されています。コーラ系の飲料は1914年の高村光太郎の詩にも謳われているように早くから知られていましたが普及したのは戦後のことです。
一方で明治30年(1897年)にミカン水が果実飲料として発売されたのですが、管理不良で中止になった記録があります。戦後の飲料はバヤリースに象徴される果実飲料から始まり、昭和44年(1969年)からのコーヒー飲料、昭和55年(1980年)のスポーツ飲料、昭和53年(1978年)のウーロン茶飲料、昭和58年(1983年)の緑茶飲料とさまざまな飲料が普及しました。
ミネラルウォーターは、明治17年(1884年)炭酸水の「平野水(ひらのすい)」が商品として販売された最初です。非炭酸水では昭和4年(1929年)の「富士ミネラルウォーター」が初めてだと言われています。現在のように輸入品も含めて大量に販売されるようになったのは昭和61年(1986年)頃からです。
製品の種類も少なかった初期では多くの清涼飲料水はガラスびんに詰め王冠で密封されていたのですが、その後1970年代まで缶のほかプラスチック容器としてはポリエチレンが使われていました。食品衛生法で「ポリエチレン」と明記されていたために醤油や食用油にPET容器が使用されるようになっても清涼飲料水では使用できなかったのです。昭和57年(1982年)の食品衛生法の改正で清涼飲料水に次の容器が使えるようになりました。
(1)ガラス製容器 (2)金属製容器 (3)合成樹脂製容器 (4)組合せ容器包装
(3)の合成樹脂製容器の中にはPETを含む11種類のプラスチックが入っていて、初めてPET容器などが清涼飲料水に使えるようになりました。清涼飲料水の種類別にどんな容器が使われているかを見ると、
・PET容器が60%を超えているもの:ミネラルウォーター、スポーツドリンク、緑茶、ウーロン茶、ブレンド茶、炭酸、その他の茶系、麦茶、
・紙容器が50%を超えているもの:乳性(希釈用)、豆乳、野菜
・缶が10%を超えているもの:コーヒー、炭酸、果実、紅茶、乳性、野菜、緑茶、スポーツドリンク、その他飲料
・他に比べてびんの使用が目立つもの:乳性(希釈用)、炭酸、乳性、その他飲料、ウーロン茶
などとなっています。全体的に言えば、清涼飲料水はほぼPETが65%、缶が20%、紙が11%、びんが2%、その他が2%というところでしょうか。(比率は液量の構成比。)
清涼飲料水の容器はツーピース缶、ボトル缶、耐熱性PET容器、重量が前者に比べて極めて小さいPET容器など消費する側あるいは自販機など販売環境の要求にこたえていろいろ進歩しています。
イラスト:社団法人 全国清涼飲料工業会ホームページ
文:社団法人 全国清涼飲料工業会 技術アドバイザー 福田正彦

